青色申告と白色申告の違い|フリーランスはどちらを選ぶべき?判断基準とメリデメを徹底比較【2026年】

青色申告と白色申告の違い|フリーランスはどちらを選ぶべき?判断基準とメリデメを徹底比較【2026年】

青色申告と白色申告の最大の違いは「最大65万円の特別控除が受けられるかどうか」です。結論から言うと、フリーランスとして継続的に活動するなら、青色申告を選ぶべきです。年間で約10万〜20万円の節税効果が見込め、赤字の繰り越しや家族への給与の経費化など、税制上の優遇も大きいためです。

とはいえ、「帳簿の付け方が難しそう」「開業届を出していないけど大丈夫?」といった不安から、白色申告のままにしているフリーランスの方も少なくありません。本記事では、2026年(令和8年)の最新税制改正を踏まえて、青色申告と白色申告の違いをわかりやすく比較します。節税シミュレーションや切り替え手順、おすすめの会計ソフトまで網羅しているので、確定申告の方法選びに迷っている方はぜひ参考にしてください。

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青色申告と白色申告とは?確定申告の2つの方法を基本から解説

確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2つの申告方法があります。どちらも1月1日から12月31日までの所得を計算し、翌年2月16日〜3月15日に税務署へ申告するという基本的な流れは同じですが、事前手続きや控除額、帳簿のつけ方に大きな違いがあります。

青色申告とは

青色申告とは、一定水準の帳簿をつけることで税制上の優遇措置を受けられる申告方法です。国税庁が定めた正規の簿記の原則(複式簿記)に従って記帳し、貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付することで、最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。

青色申告を行うためには、事前に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。新規開業の場合は開業日から2ヶ月以内、既に事業を行っている場合は青色申告をしたい年の3月15日までに申請書を提出しなければなりません。

なお、青色申告の適用対象は、事業所得・不動産所得・山林所得のいずれかがある方に限られます。フリーランスエンジニアやデザイナーなど、個人事業として収入を得ている方は事業所得に該当するため、問題なく青色申告を利用できます。

白色申告とは

白色申告とは、青色申告承認申請書を提出していない場合に自動的に適用される申告方法です。事前の届出が不要で、帳簿のつけ方も簡易(単式簿記)で済むため、手間が少ないのが特徴です。

ただし、2014年(平成26年)以降は白色申告者にも帳簿の記帳と保存が義務付けられています。以前は「白色申告なら帳簿不要」というメリットがありましたが、現在ではその差はかなり縮まっています。にもかかわらず、青色申告で受けられる特別控除や各種優遇制度が白色申告にはないため、白色申告を選ぶメリットは限定的になっています。

【比較表】青色申告と白色申告の違いを一覧で確認

青色申告と白色申告の違いを項目ごとに整理した比較表がこちらです。2026年(令和8年)時点の最新情報に基づいています。

比較項目 青色申告(65万円控除) 青色申告(10万円控除) 白色申告
事前届出 必要(青色申告承認申請書) 必要(青色申告承認申請書) 不要
特別控除額 最大65万円 10万円 なし
帳簿の方式 複式簿記 簡易簿記(単式簿記) 簡易簿記(単式簿記)
決算書類 貸借対照表+損益計算書 損益計算書のみ 収支内訳書
赤字の繰り越し 3年間可能 3年間可能 不可
専従者給与 全額経費(届出必要) 全額経費(届出必要) 事業専従者控除(配偶者86万円、その他50万円)
少額減価償却資産の特例 30万円未満一括経費可 30万円未満一括経費可 10万円未満のみ一括経費可
家事按分 合理的な割合で計上 合理的な割合で計上 業務遂行上必要で主要部分が業務のもの
貸倒引当金 計上可能 計上可能 不可
e-Tax要件 65万円控除に必要 不要 不要

この比較表で最も注目すべきポイントは、帳簿のつけ方は白色申告も義務化されているにもかかわらず、控除額には最大65万円もの差があるという点です。会計ソフトを使えば複式簿記も自動化できるため、実質的な手間の差はほとんどありません。

青色申告のメリット5つ|フリーランスが得られる節税効果

青色申告を選ぶことで、フリーランスは以下5つの大きなメリットを享受できます。それぞれ具体的な節税額とともに解説します。

メリット①: 最大65万円の青色申告特別控除

青色申告の最大のメリットは、最大65万円の特別控除です。これは所得金額から直接差し引かれるため、税金計算の基礎となる「課税所得」が65万円分減少します。

65万円控除を受けるための要件は以下の通りです(国税庁「No.2072 青色申告特別控除」より)。

  • 事業所得または不動産所得がある
  • 複式簿記で記帳している
  • 貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付して期限内に提出する
  • e-Taxで電子申告する、または電子帳簿保存を行う

上記のうちe-Tax要件を満たさない場合は55万円控除、さらに複式簿記でない場合は10万円控除となります。フリーランスであれば、会計ソフトとe-Taxを組み合わせることで無理なく65万円控除の要件を満たせます。

なお、2026年度(令和8年度)税制改正大綱では、e-Taxと優良な電子帳簿保存の両方を行った場合の控除額を75万円に引き上げる見直しが検討されています。可決されれば2027年分の所得税から適用予定です。

メリット②: 赤字(純損失)を3年間繰り越せる

事業で赤字が出た場合、その損失額を翌年以降3年間にわたって繰り越し、黒字の所得から差し引くことができます。これを「純損失の繰越控除」と呼びます。

たとえば、開業1年目に100万円の赤字が出て、2年目に300万円の黒字が出た場合、2年目の課税所得は300万円 − 100万円 = 200万円で計算されます。フリーランスは開業初年度に機材購入やオフィス整備で赤字になりやすいため、この制度は非常に有効です。

白色申告の場合、赤字の繰り越しは一切認められません。この差はとくに開業初期のフリーランスにとって大きなインパクトがあります。

メリット③: 青色事業専従者給与で家族への給与を全額経費化

青色申告者は、事業に従事する配偶者や親族に対して支払った給与を「青色事業専従者給与」として全額経費に計上できます。事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出する必要がありますが、届出の範囲内であれば金額の上限はありません。

一方、白色申告では「事業専従者控除」という制度がありますが、控除額に上限があり、配偶者で最大86万円、その他の親族で最大50万円にとどまります。

たとえば、配偶者に経理業務を月15万円で依頼した場合、青色申告なら年間180万円を全額経費にできますが、白色申告では86万円しか控除できません。この差額94万円が課税所得に上乗せされることになります。

メリット④: 30万円未満の資産を一括で経費にできる

青色申告者は「少額減価償却資産の特例」を利用でき、取得価額が30万円未満の減価償却資産を購入年度に全額経費計上できます(年間合計300万円まで)。

白色申告の場合、一括経費にできるのは10万円未満の資産に限られ、10万円以上の資産は減価償却(耐用年数に応じて数年かけて経費化)が必要です。

フリーランスエンジニアの場合、パソコンやモニターなどの機材は20万〜30万円程度のものが多いため、この特例の恩恵は大きいです。たとえば25万円のMacBook Proを購入した場合、青色申告なら購入年度に25万円を全額経費にできますが、白色申告では4年間かけて減価償却しなければなりません。

メリット⑤: 貸倒引当金を計上できる

青色申告者は、売掛金や未収入金などの期末残高に対して、一定割合(個人の場合は5.5%)の貸倒引当金を費用として計上できます。これにより、取引先の未払いリスクに備えながら節税も可能になります。

フリーランスとして複数のクライアントと取引している場合、期末時点で売掛金が200万円あれば、200万円 × 5.5% = 11万円を貸倒引当金として経費計上できます。白色申告では、この引当金の計上は認められていません。

白色申告のメリット3つ|あえて選ぶ理由はある?

青色申告の節税効果は明らかですが、白色申告にも一定のメリットがあります。ただし、そのメリットは年々縮小しています。

メリット①: 事前届出が不要ですぐに始められる

白色申告は事前に申請書を提出する必要がないため、申告時期に準備を始めても間に合います。青色申告は申請期限を過ぎると翌年まで待たなければならないのに対し、白色申告にはそうした制約がありません。

ただし、これは「事前に計画しなかった場合の救済措置」としてのメリットに過ぎず、あらかじめ準備できるフリーランスにとっては、青色申告承認申請書の提出は5分程度で完了する手続きです。

メリット②: 帳簿のつけ方がシンプル

白色申告の記帳は単式簿記(家計簿のような収入と支出の記録)で済むため、簿記の知識がなくても対応できます。ただし、2014年以降は白色申告者にも記帳義務が課されているため、「まったく帳簿をつけなくてよい」わけではありません。

また、現在はマネーフォワード クラウド確定申告やfreeeなどの会計ソフトが、銀行口座やクレジットカードと連携して自動的に複式簿記の帳簿を作成してくれるため、記帳方法の差はほとんどなくなっています。

メリット③: 副業レベルの少額収入なら十分

会社員の副業など、年間の事業所得が数十万円程度で、開業届を出すほどではない場合は白色申告で十分なケースもあります。控除額の差が税額に与えるインパクトが小さいため、手間とのバランスで白色申告を選ぶ合理性があります。

ただし、副業でも年間の所得が48万円を超えると確定申告が必要になるため、その時点で青色申告に切り替えを検討する価値はあります。

【節税シミュレーション】年収別に青色と白色でいくら差が出る?

青色申告と白色申告で実際にどれだけ税額が変わるのか、年収(売上)別にシミュレーションしてみましょう。以下の条件で試算します。

前提条件:

  • 経費率: 売上の30%
  • 社会保険料控除: 60万円
  • 基礎控除: 48万円(所得税)
  • 2026年時点の税率を適用
  • 住民税は一律10%で計算
年収(売上) 青色65万円控除の税額 白色申告の税額 年間の差額
300万円 約14万円 約23万円 約9万円
500万円 約37万円 約50万円 約13万円
700万円 約70万円 約87万円 約17万円
1,000万円 約131万円 約153万円 約22万円

年収500万円のフリーランスの場合、青色申告と白色申告で年間約13万円の差が出ます。これは5年間で約65万円、10年間で約130万円にもなります。会計ソフトの年間利用料(月額1,000〜2,000円程度)を差し引いても、圧倒的に青色申告が有利です。

さらに、2026年の税制改正で基礎控除が引き上げられるため(後述)、手取り額は両方とも改善しますが、青色申告の控除がプラスされる分だけ差は維持されます

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2026年(令和8年)税制改正|フリーランスへの影響は?

2026年は基礎控除の引き上げという大きな税制改正があります。フリーランスの確定申告にも直接影響するため、正確に理解しておきましょう。

基礎控除の引き上げ

2026年(令和8年)分の所得税から、基礎控除額が以下のように引き上げられます(国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」より)。

  • 本則部分(恒久措置): 48万円 → 58万円(+10万円)
  • 特例上乗せ(令和8年・9年の2年間限定): 所得に応じて最大37万円を上乗せ

合計所得金額が132万円以下の場合は本則58万円+特例37万円=最大95万円の基礎控除が適用されます。フリーランスの場合、事業所得から各種経費や控除を差し引いた後の合計所得が対象となるため、年収や経費状況によって適用額が変わります。

青色申告特別控除の見直し(2027年分から予定)

2026年度の税制改正大綱では、e-Taxと優良な電子帳簿保存の両方を行った青色申告者について、控除額を65万円から75万円に引き上げることが検討されています。可決されれば2027年(令和9年)分の所得税から適用される予定です。

フリーランスが注意すべきポイント

基礎控除の引き上げは青色申告・白色申告を問わず全員に適用されますが、青色申告の特別控除は青色申告者だけの上乗せです。つまり、基礎控除の引き上げ後も「青色か白色か」の差額構造は変わりません。むしろ、2027年以降に75万円控除が実現すれば、差はさらに広がることになります。

これからフリーランスとして活動する方は、2026年の確定申告に向けて今から青色申告の準備を始めることをおすすめします。

青色申告を始めるための3ステップ|届出から帳簿準備まで

白色申告から青色申告に切り替える、あるいは新規に青色申告を始めるための手順を3ステップで解説します。

STEP1: 開業届と青色申告承認申請書を提出する

青色申告を行うためには、税務署に以下の2つの書類を提出する必要があります。

  1. 個人事業の開業届出書: 開業日から1ヶ月以内に提出(まだ出していない場合)
  2. 所得税の青色申告承認申請書: 開業日から2ヶ月以内、または青色申告をしたい年の3月15日まで

書類はいずれも国税庁のWebサイトからダウンロードできるほか、e-Taxでのオンライン提出も可能です。記載内容はシンプルで、住所・氏名・事業の概要・帳簿の種類などを記入するだけです。所要時間は10〜15分程度で完了します。

注意点: 2026年分から青色申告に切り替えたい場合は、2026年3月15日までに申請書を提出する必要があります。期限を過ぎると2027年分からの適用となるため、早めの手続きが重要です。

STEP2: 会計ソフトを導入して複式簿記の準備をする

65万円控除を受けるためには複式簿記での記帳が必要ですが、会計ソフトを使えば簿記の知識がなくても対応できます。現在の主要な会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードと連携して自動で仕訳を作成してくれるため、日々の記帳作業は最小限で済みます。

フリーランスに人気の会計ソフトは以下の3つです。

会計ソフト 月額料金(税込) 特徴
マネーフォワード クラウド確定申告 1,078円〜 銀行・カード連携が強力。自動仕訳の精度が高い
freee会計 1,298円〜 初心者に使いやすいUI。スマホアプリも充実
やよいの青色申告オンライン 実質0円〜(初年度無料) 操作が直感的。電話サポートが手厚い

いずれのソフトも複式簿記に対応しており、貸借対照表と損益計算書を自動で作成してくれます。確定申告書の作成からe-Taxでの電子申告まで一気通貫で行えるため、65万円控除の要件を無理なく満たせます。

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STEP3: 日々の記帳を習慣化する

会計ソフトを導入したら、あとは日々の取引を入力していくだけです。銀行口座やクレジットカードを連携しておけば、取引データが自動で取り込まれるため、手動入力が必要なのは現金取引くらいです。

記帳を習慣化するためのコツは以下の通りです。

  • 週に1回、まとめて処理する日を決める(毎週月曜日など)
  • レシートは撮影してすぐにアプリで取り込む(スマホアプリの活用)
  • 事業用の口座・クレジットカードを分ける(プライベートとの混在を防ぐ)
  • 勘定科目に迷ったら会計ソフトのAI提案を活用する

最初の1〜2ヶ月は慣れるまで時間がかかりますが、取引パターンが定まってくると、会計ソフトが自動で仕訳してくれるため、月30分〜1時間程度の作業で済むようになります。

白色申告から青色申告への切り替え方法

現在白色申告をしているフリーランスが青色申告に切り替える場合の手続きと注意点をまとめます。

切り替えに必要な手続き

白色申告から青色申告に切り替えるために必要なのは、「所得税の青色申告承認申請書」の提出のみです。切り替えたい年の3月15日までに税務署に提出すれば、その年分の確定申告から青色申告が適用されます。

すでに開業届を提出済みの方は、青色申告承認申請書だけで切り替え完了です。開業届がまだの方は、開業届と合わせて提出しましょう。

切り替え時の注意点

切り替えにあたって知っておくべき注意点がいくつかあります。

期限を過ぎると翌年からの適用になる: 3月15日を1日でも過ぎると、その年は白色申告のままで、青色申告は翌年分からの適用になります。年明け早々に手続きすることをおすすめします。

帳簿は年の初めから複式簿記でつける必要がある: 青色申告を申請した年は1月1日から複式簿記での記帳が求められます。年の途中から始めると、期首残高の設定が必要になるため、年始のタイミングで切り替えるのがスムーズです。

取り消しの要件: 青色申告の承認は、2年連続で期限後申告をした場合や、帳簿の備付け等を行っていないと判断された場合に取り消されることがあります。期限内申告と適切な記帳を継続することが重要です。

フリーランスの確定申告に役立つツール・サービス

確定申告を効率的に行うために、フリーランスが活用すべきツールとサービスを紹介します。

会計ソフトは「クラウド型」がおすすめ

フリーランスの確定申告には、クラウド型の会計ソフトが最適です。インストール不要でどこからでもアクセスでき、法改正や税率変更への対応も自動で行われます。前述のマネーフォワード、freee、やよいの3サービスのうち、銀行連携の精度と自動仕訳のAI精度で選ぶならマネーフォワード クラウド確定申告がおすすめです。

マネーフォワード クラウド確定申告は、3,600以上の金融機関と連携可能で、AIが過去の仕訳パターンを学習して自動的に勘定科目を提案してくれます。e-Taxとの連携もスムーズなため、65万円控除の要件をすべてカバーできます。

請求書・見積書管理ツール

確定申告では売上の根拠として請求書の保管が求められます。クラウド型の請求書作成ツール(マネーフォワード クラウド請求書、freee請求書など)を使えば、請求書データがそのまま会計ソフトに連携されるため、二重入力の手間がなくなります。

税理士への相談

開業初年度や、年収が500万円を超えてきた段階では、税理士への相談も検討しましょう。顧問料の相場は月1万〜3万円程度ですが、適切な節税アドバイスを受けることで、顧問料以上の節税効果が期待できます。とくに、インボイス制度への対応や消費税の申告が必要になった場合は、専門家のサポートがあると安心です。

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フリーランスが知っておくべき確定申告の落とし穴

青色申告・白色申告を問わず、フリーランスが確定申告で陥りやすいミスや注意点をまとめます。

経費の計上漏れに注意

フリーランスが経費にできるものは意外と多く、計上漏れは節税機会の損失につながります。とくに以下の項目は見落としやすいので注意が必要です。

  • 自宅の家賃・光熱費(家事按分で事業使用割合を経費化)
  • 通信費(スマホ代、インターネット回線費)
  • 書籍・セミナー費(技術書、勉強会参加費)
  • 交通費(クライアント先への移動費)
  • ソフトウェア・サブスクリプション費用(開発ツール、クラウドサービス)

家事按分の割合は、自宅の面積比や使用時間比で合理的に算出します。たとえば、1LDKの自宅で1部屋をまるごと仕事部屋にしている場合、面積比で40%程度を事業経費として計上できます。

インボイス制度への対応

2023年10月から始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)は、フリーランスの確定申告にも大きく影響しています。適格請求書発行事業者として登録し消費税の課税事業者になっている場合は、消費税の申告・納付も必要です。

2026年時点では経過措置として、免税事業者からの仕入れについても一定割合の仕入税額控除が認められています。ただし、この経過措置は段階的に縮小されるため(2026年9月30日まで80%、2029年9月30日まで50%)、早めの対応が重要です。

期限後申告のペナルティ

確定申告の期限(通常3月15日)を過ぎてから申告すると、以下のペナルティが発生します。

  • 無申告加算税: 期限後に自主申告した場合は5%、税務署の指摘後は15〜20%
  • 延滞税: 申告期限の翌日から完納日まで、年率2.4%〜8.7%(2026年の場合)
  • 青色申告の取り消し: 2年連続で期限後申告をすると、青色申告の承認が取り消される

とくに青色申告者にとって、期限後申告は65万円控除が10万円控除に減額されるリスクもあります。余裕を持ったスケジュールで準備を進めましょう。

よくある質問(FAQ)

開業届を出していなくても青色申告できる?

開業届の提出は法律上「遅滞なく」とされていますが、罰則はありません。ただし、青色申告承認申請書は開業届とセットで提出するのが一般的で、税務署によっては開業届の提出を求められるケースもあります。青色申告をしたい方は、開業届と青色申告承認申請書を同時に提出するのが最もスムーズです。マネーフォワード クラウド開業届を使えば、質問に答えるだけで両方の書類をオンラインで作成・提出できます。

青色申告と白色申告は途中で切り替えられる?

はい、切り替えは可能です。白色から青色への切り替えは、前述の通り「所得税の青色申告承認申請書」を切り替えたい年の3月15日までに提出するだけです。逆に、青色申告をやめて白色申告に戻す場合は、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を翌年3月15日までに提出します。ただし、一度取りやめた後に再度青色申告を申請する場合は、1年以上空ける必要があるため慎重に判断してください。

副業フリーランスでも青色申告はできる?

副業の場合、その収入が「事業所得」として認められるかどうかがポイントです。国税庁は、事業所得と雑所得の判断基準として「記帳・帳簿書類の保存の有無」を重視しています。継続的に収入があり、帳簿を適切につけている場合は事業所得として認められやすく、青色申告の対象となります。ただし、年間収入が300万円以下で帳簿の保存がない場合は、原則として雑所得に分類されます。雑所得は青色申告の対象外です。

会計ソフトなしでも青色申告は可能?

制度上は可能ですが、実務的にはおすすめしません。複式簿記の帳簿をExcelや手書きで管理するのは非常に手間がかかり、ミスのリスクも高まります。年間1万円程度の会計ソフト費用で、数十万円の節税と大幅な時間短縮が実現できることを考えると、会計ソフトの導入は投資対効果が非常に高いと言えます。

青色申告の65万円控除と10万円控除の違いは?

両者の違いは帳簿の方式と提出書類です。65万円控除は複式簿記+貸借対照表・損益計算書の提出+e-Tax(または電子帳簿保存)が必要です。10万円控除は単式簿記(簡易簿記)で、損益計算書のみの提出で済みます。控除額の差は55万円と大きいため、会計ソフトを使って複式簿記に対応するのが圧倒的にお得です。なお、55万円控除(e-Tax未対応の場合)もあるため、電子申告環境が整わない場合でも55万円控除は確保できます。

確定申告にかかる時間はどのくらい?

会計ソフトを使っている場合、日々の記帳が行き届いていれば確定申告の作業自体は1〜3時間程度で完了します。マネーフォワード クラウド確定申告の調査によると、同ソフト利用者の確定申告にかかる準備時間は、導入前と比較して平均で約1/6に短縮されています。帳簿を手書きやExcelで管理している場合は、数日〜1週間かかることも珍しくありません。

フリーランスの確定申告で経費にできるものは?

フリーランスが経費にできるのは「事業のために使った費用」です。代表的な経費項目としては、パソコン・ソフトウェア等の購入費(消耗品費・減価償却費)、自宅の家賃・光熱費(家事按分)、通信費(スマホ・インターネット)、交通費(電車・タクシー)、書籍・セミナー費、外注費、会計ソフト利用料などがあります。詳しくは当サイトの経費一覧記事で網羅的に解説しています。

まとめ|フリーランスは青色申告一択、会計ソフトで手間なく始められる

青色申告と白色申告の違いについて、2026年の最新税制改正を踏まえて解説しました。最後に要点を整理します。

青色申告を選ぶべき理由は明確です。最大65万円の特別控除、赤字の3年間繰り越し、専従者給与の全額経費化、30万円未満の一括経費化など、白色申告にはない税制上の優遇措置が多数あります。年収500万円のフリーランスなら年間約13万円、10年間で約130万円もの節税効果が見込めます。

「帳簿が難しそう」というイメージは、会計ソフトの普及で過去のものになりました。マネーフォワード クラウド確定申告をはじめとするクラウド会計ソフトを使えば、銀行口座連携で自動仕訳、e-Tax連携で電子申告まで一気通貫で行えます。

2026年は基礎控除の引き上げ、2027年には青色申告特別控除の75万円への引き上げ(検討中)と、フリーランスにとって有利な税制改正が続いています。まだ白色申告のままの方は、ぜひこの機会に青色申告への切り替えを検討してください。

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免責事項 本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務・法律相談を代替するものではありません。具体的な判断や手続きについては、税理士・弁護士等の専門家にご相談ください。記載内容は2026年5月時点の情報に基づいています。法改正等により内容が変更される場合があります。

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