【2026年独自試算】フリーランスエンジニアと会社員、生涯賃金はどちらが上?年収推移データで徹底比較

【2026年独自試算】フリーランスエンジニアと会社員、生涯賃金はどちらが上?年収推移データで徹底比較

「フリーランスは稼げる」とよく言われますが、退職金も社会保険の会社負担もないフリーランスは、生涯で見たときに本当に会社員より得なのでしょうか。フリーランスワークスでは、公開統計と独自試算をもとに、フリーランスエンジニアと会社員の年収推移・生涯賃金を比較しました。

先に結論をお伝えします。額面(売上)ベースなら、フリーランスは中堅以降で会社員を上回りやすい(年商目安で30代744万・40代804万 vs 会社員給与30代445万・40代533万)。生涯の稼得額でも、標準〜高稼働のフリーランスは会社員の約3.1億円と同等〜上回る試算になります。ただしこれは売上ベースの比較で、退職金・社会保険の会社負担・収入の安定という「額面に出ない差」を含めると、単純に「フリーランスが得」とは言えません。この記事では、その両面を前提を明示して公開します(出典を明記いただければ引用可能です)。

調査の概要(データの出典と前提)

本データは以下をもとにしています。

  • 会社員側:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」ベースのJILPT「ユースフル労働統計2025」の生涯賃金、令和5年就労条件総合調査の退職給付、2026年の各ITエンジニア年収調査。
  • フリーランス側:Findy Freelance 2026調査、レバテックフリーランスの公開単価から算出した年商(エージェント提示・売上ベース)。

重要な前提として、会社員の「年収(給与)」とフリーランスの「年商(売上)」は性質が異なります。フリーランスの年商からは、経費・国民年金・国民健康保険・税が差し引かれ、退職金もありません。本記事の生涯賃金のフリーランス試算は、前提を明示した自作モデルであり確定値ではない点にご注意ください。数値は月額・年額とも万円単位です。

比較①:年代別の年収推移

まず、年代別の年収です。会社員は給与の実額、フリーランスは経験年数から年代に対応させた年商(売上)目安です。

年代別のフリーランス売上と会社員給与の比較(2026年独自試算)

年代会社員エンジニア(給与)フリーランス(年商・売上)
20代339万円約564万円
30代445万円約744万円
40代533万円約804万円
50代573万円約804万円

会社員エンジニアの平均年収は全体で462万円(システムエンジニアは509万円)。年代別では20代339万円から50代573万円へと、年功に沿って緩やかに上昇します。一方フリーランスは、エージェント提示の単価ベースで見ると20代後半〜30代で会社員を上回りやすく、その差は中堅以降で広がります。

ただし繰り返しの注意として、フリーランスの数字は売上です。ここから経費や社会保険料、税を引くと、手取りは2〜3割程度下がります。額面の差ほど手取りの差は大きくありません。

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比較②:生涯の稼得額の試算

次に、生涯で稼ぐ総額の試算です。会社員は生涯賃金+退職金(出典値)、フリーランスは22〜60歳の38年間の年商累計(自作試算・売上ベース)です。

フリーランスと会社員の生涯稼得額の試算比較(2026年)

区分生涯の稼得額(試算)内訳・前提
会社員(給与+退職金)約3億1,007万円大卒全規模 生涯賃金28,970万円+退職金2,037万円
フリーランス・保守(月50万)約2億2,800万円月50万×12×38年(売上)
フリーランス・標準(月65万)約2億9,640万円月65万×12×38年(売上)
フリーランス・高稼働(月80万)約3億6,480万円月80万×12×38年(売上)

会社員(大卒・全規模平均)の生涯賃金は退職金を含めて約3.1億円。対してフリーランスは、平均月商を50万円に置く保守シナリオで約2.3億円、65万円の標準で約3.0億円、80万円の高稼働で約3.6億円という試算になります。

つまり、標準〜高稼働で働き続けられれば、売上ベースではフリーランスが会社員と同等以上になり得ます。一方で、月50万円前後の保守シナリオでは会社員を下回ります。フリーランスは「稼働できる案件を継続的に確保できるか」で生涯の稼得額が大きく振れる、というのが重要なポイントです。

比較③:額面に出ない「5つの差」

売上・給与の数字だけでは、本当の損得はわかりません。会社員とフリーランスには、額面に表れない次の差があります。

項目会社員フリーランス
退職金あり(大卒 約2,037万円)なし(iDeCo・小規模企業共済等で自分で積立)
社会保険厚生年金・健康保険は労使折半国民年金・国民健康保険を全額自己負担
収入の安定毎月固定・有給・各種手当案件次第・無給の空白リスク
経費基本的に会社負担PC・書籍・通信等を自己負担(ただし経費計上で節税可)
単価の伸び年功・役職で緩やかに上昇スキル・AI活用・交渉で短期に上げやすい

会社員には退職金と社会保険の会社負担という「見えない給与」があり、これだけで生涯数千万円規模の差になります。一方フリーランスには、経費計上による節税、法人化による最適化、そして単価を自分の努力で短期に引き上げられるという上振れ余地があります。実際、生成AIを活用するエンジニアは月単価が約10万円高いというデータもあり、伸びしろは会社員より大きいと言えます。

補足:フリーランスの「手取り」で見直すと

ここまでのフリーランスの数字は売上(年商)でした。実際の手取りに近づけるため、年商から経費・社会保険・税をざっくり差し引いた目安が次の表です(単身・青色申告・経費率15%を仮定した概算。実際は家族構成や控除で変わります)。

フリーランス年商経費・社保・税の概算控除後(手取り目安)会社員の同水準給与の手取り目安
600万円(保守)約430〜460万円給与500万円で約390万円
780万円(標準)約540〜580万円給与650万円で約490万円
960万円(高稼働)約650〜700万円給与900万円で約660万円

※あくまで概算です。フリーランスは経費計上・小規模企業共済・iDeCo・法人化などで手取りをさらに最適化できます。詳しい節税は節税の記事を参照してください。

ポイントは、売上ベースほどの差はないが、手取りベースでも標準以上のフリーランスは会社員に見劣りしないということです。会社員側には退職金という後払いの積み上げがある点は忘れずに加味しましょう。

結局、どちらが得なのか

データを踏まえると、損得は「働き方」で決まります。

フリーランスが有利になりやすい条件は、継続して案件を確保できる営業力・人脈があること、単価の高い領域(設計・LLM/RAG・上流)にキャリアを寄せられること、経費計上や法人化で手取りを最適化できること。これらが揃えば、売上でも手取りでも会社員を上回る可能性が高まります。

会社員が有利になりやすい条件は、収入の安定と保障を重視すること、退職金・厚生年金といった長期の積み上げを重視すること、営業や事務の負担を避けたいこと。生涯の「安心」まで含めた総合力では、会社員の手厚さは無視できません。

単価の全体像は単価相場データ2026、AI活用による単価アップは生成AIの単価プレミアムデータ、年収の実態は年収・単価相場の記事にまとめています。独立の判断材料としてフリーランスと会社員の比較記事、手取り最適化はマイクロ法人の記事もあわせてご覧ください。

独立を検討するなら「自分の年商」を先に把握する

生涯賃金の試算は前提次第で大きく動きます。最も確実なのは、自分のスキルで実際にいくらの単価が提示されるかを先に知ることです。複数のエージェントに登録して提示単価を比べれば、上の試算のどのシナリオに自分が当てはまるかが具体的に見えてきます。収入の不安定さが心配な場合は、報酬保障のあるサービスを選べば会社員に近い安定性も確保できます。

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まとめ

フリーランスエンジニアと会社員の生涯賃金は、次のように整理できます。

  • 年代別の年収は、売上ベースでは30代以降フリーランスが会社員を上回りやすい(30代744万 vs 445万)。
  • 生涯の稼得額は、標準〜高稼働のフリーランスで約3.0〜3.6億円と、会社員の約3.1億円に匹敵〜上回る試算。ただし保守シナリオでは下回る。
  • 退職金・社会保険の会社負担・収入の安定という「額面に出ない差」を含めると、単純に「フリーランスが得」とは言えない。
  • 損得は働き方で決まる。単価を上げ稼働を安定させられるかが、フリーランスの生涯収入を左右する。

数字の大小だけでなく、保障や安定まで含めて「自分にとっての得」を判断することが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q. 手取りで比較しても、フリーランスのほうが上ですか? A. 標準(月商65万)以上のシナリオなら、手取りでも会社員と同水準〜上回る目安です。ただし退職金という後払いが会社員にはあるため、そこまで含めると差は縮みます。保守シナリオ(月50万前後)では会社員が上回るケースが多くなります。

Q. 何歳で独立するのが生涯収入的に有利ですか? A. 一般には、会社員で3〜5年ほど実務経験を積み、単価の高い領域(設計・LLM/RAG・上流)に対応できるようになってから独立すると、フリーランスの高単価を長く享受でき生涯収入が伸びやすい傾向です。経験1年未満は単価が低く(月40万目安)、独立を急ぐと不利になりがちです。

Q. フリーランスは退職金がない分、どう備えればいいですか? A. iDeCo(個人型確定拠出年金)や小規模企業共済は、掛金が全額所得控除になり「自分の退職金」を節税しながら積み立てられます。会社員の退職金約2,000万円に相当する備えを、これらで計画的に作るのが現実的です。

データの引用について

本データ(グラフ・数値)は、出典を明記いただき本ページへのリンクを設置いただければ、引用・転載いただいて構いません。生涯賃金のフリーランス試算は前提を明示した自作モデルであり、確定値ではない旨も併記いただけますと幸いです。

主な出典

  • 労働政策研究・研修機構(JILPT)ユースフル労働統計2025(生涯賃金) https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2024/documents/useful2024_21_p301_331.pdf
  • 厚生労働省 賃金構造基本統計調査/令和5年就労条件総合調査(退職給付) https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2008/index.html
  • ファインディ株式会社「フリーランスエンジニア報酬・働き方・生成AI活用調査(2026)」 https://findy.co.jp/3922/
  • レバテックフリーランス 公開単価相場 https://freelance.levtech.jp/project/marketprice/

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