フリーランスとして活動してきたものの、「やっぱり正社員に戻りたい」と考えるエンジニアは少なくありません。収入の不安定さ、案件獲得の疲弊、将来の社会保障への不安など、フリーランスならではの悩みが積み重なり、正社員という働き方を再検討するタイミングは誰にでも訪れる可能性があります。
しかし、「フリーランスからの転職は難しい」という声も多く聞かれます。フリーランス期間が長いほど、企業側から「組織で働けるのか」「すぐに辞めてしまうのではないか」と懸念されやすいのも事実です。
本記事では、フリーランスから正社員への転職が難しいと言われる本当の理由、採用担当に響く転職理由・志望動機の伝え方、面接対策、転職エージェントの効果的な活用法、そして転職に伴う行政手続きまで、実践的なノウハウを網羅的に解説します。
👉 フリーランスと正社員どっちがいい?年収・手取り・働き方・リスクを徹底比較【2026年版】
フリーランスから正社員への転職が「難しい」と言われる5つの理由
フリーランスからの正社員転職が難しいと言われるのには、明確な理由があります。これらを事前に理解しておくことで、対策を講じやすくなります。
1. 組織適応力への懸念
企業の採用担当者が最も懸念するのが、「長年フリーランスとして一人で働いてきた人が、組織の中でうまくやっていけるのか」という点です。フリーランスは自分のペースで仕事を進められる一方、企業では上司の指示に従い、チームで協調しながら業務を進める必要があります。
特にフリーランス歴が3年以上になると、この懸念はさらに強くなります。採用面接では「チームでの協業経験」を具体的にアピールすることが重要です。フリーランスであっても、クライアント企業のチームに参加して開発を行った経験があれば、それは組織で働いた経験と同等に評価してもらえます。
2. 定着性への不安
「フリーランスに戻るのではないか」「また辞めてしまうのではないか」という懸念も、採用担当者が持つ大きな不安要素です。フリーランスから正社員になった後、数年で再びフリーランスに戻るケースは実際に少なくないため、企業側としては慎重にならざるを得ません。
この不安を払拭するためには、「なぜフリーランスをやめて正社員になりたいのか」という転職理由を明確かつ説得力をもって伝える必要があります。「収入が不安定だから」というネガティブな理由だけでなく、「大規模プロジェクトにコアメンバーとして参画したい」「特定の技術分野を深く追求するための環境がほしい」といった前向きな動機を示しましょう。
3. 年収ギャップの問題
フリーランスエンジニアの平均年収は正社員よりも高い傾向にあります。月単価70万〜100万円のフリーランスが正社員になると、年収が200万〜400万円下がるケースも珍しくありません。この年収ギャップがネックとなり、転職を踏みとどまるフリーランスも多いです。
ただし、正社員の年収には社会保険料の企業負担分(報酬の約15%)、有給休暇、賞与、退職金、福利厚生などが含まれます。手取りベースで比較すると、実質的な差はフリーランス時代の想像よりも小さいことが多いです。転職時には額面年収だけでなく、トータルの報酬パッケージで比較することが大切です。
4. 職務経歴書の書き方が難しい
正社員の転職では、職務経歴書に「企業名→部署→役職→業務内容」と整理して書くのが一般的です。しかし、フリーランスの場合は複数のクライアントと同時並行で仕事をしていたり、短期のプロジェクトが多かったりして、経歴がまとまりにくいのが課題です。
フリーランスの職務経歴書は、「プロジェクト単位」でまとめるのが効果的です。プロジェクト名、担当役割、使用技術、チーム規模、成果(納品物・改善指標)を簡潔にまとめ、アピールしたいプロジェクトを3〜5件厳選して記載しましょう。
5. ブランクや守秘義務の制約
フリーランスの案件にはNDA(秘密保持契約)が締結されているものが多く、具体的なクライアント名やプロジェクト内容を職務経歴書に記載できないケースがあります。また、案件が途切れていた期間がブランクとして映ることもあります。
NDA対象のプロジェクトは「大手EC企業のバックエンドリニューアル」のように業界と概要だけを記載し、技術スタックや自分の貢献を具体的に書くことでカバーしましょう。ブランク期間については、スキルアップのための学習やOSS活動、個人開発など、何をしていたかを説明できるようにしておくことが重要です。
👉 フリーランスエンジニアのスキルシートの書き方|案件獲得率を上げるテンプレートと記入例【2026年】
フリーランスから正社員に転職するための5つのステップ
フリーランスからの転職を成功させるための具体的なステップを解説します。計画的に進めることで、スムーズな転職を実現できます。
ステップ1:転職の目的と優先順位を明確にする
まず最初に、「なぜ正社員に戻りたいのか」「正社員に何を求めるのか」を明確にしましょう。目的が曖昧なまま転職活動を始めると、企業選びの軸がぶれて失敗のリスクが高まります。
フリーランスから正社員への転職で多い動機としては、収入の安定性を確保したい、大規模プロジェクトや自社プロダクトの開発に携わりたい、マネジメントやリーダーシップの経験を積みたい、社会保険や福利厚生の充実を求めている、特定の技術分野を深く追求できる環境がほしい、チームで働く一体感を味わいたいなどが挙げられます。
これらの動機に優先順位をつけ、「絶対に譲れない条件」と「あれば嬉しい条件」を分けておくと、企業選びがスムーズになります。
ステップ2:市場価値を客観的に把握する
フリーランスとしての単価と正社員としての年収は、単純に比較できません。転職市場における自分の市場価値を客観的に把握するために、転職エージェントに相談するのが最も確実な方法です。
エージェントに相談すれば、自分のスキルセットと経験年数に対する相場観、フリーランス経験が評価される業界・企業、現実的な年収レンジなどを教えてもらえます。複数のエージェントに登録して、異なる視点からの意見を集めることをおすすめします。
\ IT・Web業界の転職に強い /
レバテックキャリア
ITエンジニア専門の転職エージェント・フリーランスからの転職実績が豊富・年収アップ率80%以上・非公開求人を多数保有
レバテックキャリアに無料相談する※相談だけでもOK・完全無料
ステップ3:職務経歴書と志望動機を作り込む
フリーランスからの転職では、職務経歴書の質が合否を大きく左右します。以下のポイントを押さえて作成しましょう。
職務経歴書の構成として、冒頭にキャリアサマリー(3〜5行で経歴の概要と強みをまとめる)を置き、次にフリーランス期間中の代表的なプロジェクトを3〜5件記載します。各プロジェクトは「プロジェクト概要→担当範囲→使用技術→チーム規模→成果」の順で記載すると読みやすくなります。
志望動機の例文として、「フリーランスとして5年間、複数企業のシステム開発を支援する中で、技術力だけでなくプロダクトの成長に深く関わりたいという思いが強くなりました。御社の◯◯というプロダクトは、私がフリーランス時代に培った◯◯の技術を活かせる領域であり、自社プロダクトにコアメンバーとして携わることで、より大きなインパクトを生み出したいと考えています」のように、フリーランス経験をポジティブに活かす形で志望動機を組み立てましょう。
NGな転職理由として、「収入が不安定だったから」「案件が取れなくなったから」「一人で働くのが寂しかったから」といったネガティブな理由だけでは、「正社員でも同じ理由で辞めるのでは」と思われてしまいます。ネガティブな動機が実際の理由であっても、それを「正社員でしか実現できないこと」に変換して伝えることが重要です。
ステップ4:面接対策を徹底する
フリーランスからの転職面接では、通常の面接質問に加えて、フリーランス特有の質問が飛んできます。想定される質問と回答のポイントを準備しておきましょう。
「なぜフリーランスをやめるのですか?」という質問には、「やめる」ではなく「次のステージに進む」というニュアンスで答えましょう。「フリーランスとして個人の技術力は磨けましたが、次はチームで大規模なプロダクトを作り上げる経験を積みたい」のように、成長意欲を前面に出すのが効果的です。
「フリーランスに戻るつもりはありませんか?」には、正直に「現時点では考えていません」と答えつつ、具体的な理由を添えます。「御社で◯◯の分野のスペシャリストとして5年後、10年後のキャリアを築いていきたい」と長期的なビジョンを示すと説得力が増します。
「チームで働くことに抵抗はありませんか?」には、フリーランス時代にもチームで働いた経験を具体的に伝えます。「案件先で10名のチームにジョインし、スクラムマスターと協調しながら開発を進めた経験があります。むしろチーム開発の方がレビューを通じて品質が上がり、やりがいを感じました」のように答えましょう。
ステップ5:転職エージェントを活用する
フリーランスからの転職では、転職エージェントの活用が特に重要です。一般的な転職サイトではフリーランス経験の価値が正しく伝わりにくいですが、エージェントを介すことで、フリーランスのスキルと経験を企業に的確にアピールしてもらえます。
エージェントの選び方として、IT・エンジニア業界に特化したエージェントを選ぶことが最も重要です。業界特化型のエージェントは、フリーランスエンジニアの転職事例を多く扱っており、企業側にフリーランス経験の価値を効果的に伝えるノウハウを持っています。
\ 未経験・微経験からのIT転職を支援 /
ツギノシゴト
ITエンジニア転職に特化・キャリアアドバイザーが手厚くサポート・非公開求人を多数保有・面接対策・書類添削サービス付き
ツギノシゴトに無料相談する※完全無料で利用可能
👉 フリーランスエンジニアの面談対策|案件面談の流れ・よく聞かれる質問・通過率を上げるコツを徹底解説【2026年】
フリーランスの転職で年収を最大化する交渉術
フリーランスから正社員に転職する際、年収交渉は最も重要なプロセスのひとつです。フリーランス時代の実績を活かして、可能な限り高い条件を引き出しましょう。
フリーランス時代の実績を年収交渉に活かす
転職時の年収交渉では、フリーランス時代の単価や年収をそのまま伝えるのは逆効果になることがあります。「月単価80万円だったので年収960万円以上を希望します」と言うと、企業側は「高すぎる」と感じてしまいます。
正しいアプローチは、正社員のトータルパッケージ(社会保険料の企業負担、有給、賞与、退職金など)を考慮した上で、「フリーランスとして実質的に手元に残っていた金額」をベースに交渉することです。たとえば、月単価80万円のフリーランスが社会保険料・経費・休暇分を差し引くと、正社員の年収700万〜750万円程度に相当するケースが多いです。
年収以外の交渉ポイント
年収だけに固執するのではなく、トータルの待遇で交渉する視野の広さも大切です。交渉できるポイントとして、リモートワークの可否と頻度、フレックスタイム制度の適用、副業・兼業の許可、資格取得支援や研修費用の補助、入社時の有給休暇の付与日数、ストックオプションや株式報酬などがあります。
フリーランスから正社員になると、働き方の自由度が下がることへの不満が生じやすいです。リモートワークやフレックスタイムなど、柔軟な働き方ができる条件を交渉しておくことで、正社員としての満足度が大きく変わります。
\ リモートワーク求人に特化した転職支援 /
Remoful(リモフル)
フルリモート求人を多数掲載・リモートワーク適性のカウンセリング・書類添削・面接対策サポート・入社後のフォローアップ付き
Remofulに無料相談する※無料で相談可能
転職前に確認すべき手続きとお金のこと
フリーランスから正社員になる際には、税金や社会保険、開業届など、さまざまな手続きが必要です。見落としがちなポイントを事前に確認しておきましょう。
開業届の廃業届出
正社員として入社した後も個人事業主として活動を続ける(副業として)場合は、廃業届を出す必要はありません。ただし、完全に個人事業を閉じる場合は、「個人事業の開業・廃業等届出書」を所轄の税務署に提出します。提出期限は事業廃止から1か月以内です。
青色申告の取りやめ手続き
青色申告をしていた場合は、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」も提出します。提出期限は翌年3月15日までですが、廃業届と同時に提出しておくのがスムーズです。
最後の確定申告
フリーランスとして活動していた期間の所得については、翌年の確定申告が必要です。年の途中で廃業した場合でも、1月1日から廃業日までの所得を申告します。会計ソフトのデータは確定申告が完了するまで保持しておきましょう。
消費税の課税事業者だった場合は、消費税の確定申告も必要です。「事業廃止届出書」を提出することで、翌課税期間以降の消費税の納税義務がなくなります。
👉 フリーランスの消費税を徹底解説|免税・課税の判定基準から申告・納付・インボイス対応まで【2026年】
社会保険の切り替え
正社員として入社すると、国民健康保険から会社の健康保険(社会保険)に切り替わります。入社日から14日以内に、市区町村の窓口で国民健康保険の脱退手続きを行いましょう。国民年金も第1号被保険者から第2号被保険者に自動的に切り替わります。
なお、国民健康保険料は月単位で計算されるため、入社月の保険料は日割りではなく社会保険側で全額カバーされます。国民健康保険料の過払い分は、脱退手続き後に還付されます。
住民税の特別徴収への切り替え
フリーランス時代は住民税を自分で納付する「普通徴収」でしたが、正社員になると給与から天引きされる「特別徴収」に切り替わります。切り替えのタイミングや手続きは入社先の企業が行ってくれますが、普通徴収の未納分がある場合は自分で支払う必要があります。
👉 フリーランスの住民税を徹底解説|計算方法・納付スケジュール・節税テクニック【2026年】
👉 フリーランスの開業届の書き方・出し方【2026年最新】提出手順と青色申告の始め方
フリーランス経験を活かせる企業の選び方
フリーランスからの転職を成功させるためには、「フリーランス経験を正しく評価してくれる企業」を選ぶことが極めて重要です。
フリーランス出身者が活躍しやすい企業の特徴
フリーランスからの転職で満足度が高い企業には、いくつかの共通点があります。まず、リモートワークやフレックスタイムなど柔軟な働き方が認められている企業は、フリーランス時代の自由な働き方に慣れた人でもストレスなく馴染めます。
次に、自社プロダクトを持っている企業は、フリーランス時代に得られなかった「プロダクトの成長に長期的にコミットする経験」ができるため、転職の動機に合致しやすいです。SaaS企業やスタートアップは、フリーランスの即戦力を積極的に採用する傾向があります。
また、副業を許可している企業であれば、正社員として安定収入を得ながら、フリーランスとしてのスキルや人脈を活かした副業もできるため、収入面での不安も軽減できます。
避けるべき企業の特徴
一方で、フリーランス出身者が入社後にミスマッチを感じやすい企業もあります。年功序列が強く、スキルベースの評価がない企業では、フリーランス時代に培った技術力が正当に評価されません。また、リモートワーク不可・出社必須の企業や、裁量が少なく細かい指示に従うことが求められる環境は、フリーランス経験者にはストレスになりやすいです。
面接や企業研究の段階で、これらの点を確認しておきましょう。転職エージェントを活用すれば、企業の内部文化や評価制度についても事前に情報を得られます。
\ 自分に合った転職先をAIがマッチング /
サクキャリマッチ
キャリアコーチングで転職の方向性を整理・AIによる企業マッチング・書類作成・面接対策サポート・非公開求人へのアクセス
サクキャリマッチに無料相談する※無料で相談可能
フリーランスと正社員を比較して再検討する
転職活動を始める前に、改めてフリーランスと正社員のメリット・デメリットを比較してみましょう。「なんとなく正社員がいい」ではなく、根拠をもった判断をすることが大切です。
収入面の比較
フリーランスエンジニアの月単価相場は経験やスキルによって大きく異なりますが、3〜5年の実務経験があれば月単価60万〜80万円が目安です。年間で720万〜960万円の売上になりますが、ここから国民健康保険料、国民年金、所得税、住民税、消費税、経費を差し引くと、手取りは60〜65%程度になります。
正社員の場合、額面年収は同程度でも社会保険料の半額を企業が負担してくれるため、手取り率は70〜75%程度です。さらに賞与、退職金、有給休暇の経済的価値を加味すると、額面年収が100万〜200万円低くても実質的な収入は同水準というケースもあります。
安定性とリスクの比較
フリーランスの最大のリスクは案件が途切れた場合の収入ゼロです。一方、正社員は解雇規制に守られており、病気や怪我で働けなくなった場合も傷病手当金が支給されます。2026年現在、フリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が施行され、フリーランスの保護は以前より強化されていますが、正社員ほどの手厚い保護は受けられません。
キャリアの柔軟性
フリーランスは案件を選べるため、新しい技術に挑戦しやすい反面、体系的なキャリアアップが難しいという面があります。正社員は、社内研修やメンター制度、マネジメント経験など、組織ならではのキャリア形成の機会を得られます。
最終的にフリーランスと正社員のどちらが良いかは、個人の価値観やライフステージによって異なります。正社員として数年経験を積んだ後に再びフリーランスに戻る「行ったり来たり」のキャリアも、現代では珍しくありません。
👉 フリーランスエンジニアの将来性|2026年の市場動向・AI時代に生き残る戦略・キャリアパスを解説
👉 フリーランスの案件が途切れたときの対処法|空白期間の乗り越え方と収入安定化の戦略【2026年】
転職活動のスケジュール|フリーランスが知っておくべきタイムライン
フリーランスからの転職活動は、正社員同士の転職とは異なるスケジュール感で進める必要があります。余裕をもったスケジュールで進めましょう。
転職活動の全体スケジュール
フリーランスからの転職は、一般的に3〜6か月の期間を見込んでおくのが現実的です。以下のタイムラインを参考にしてください。
1か月目:準備期間として、転職の目的と優先順位の整理、職務経歴書と履歴書の作成、転職エージェントへの登録と初回面談を行います。フリーランスの経歴は書き方にコツがいるため、エージェントのアドバイスを受けながら書類を仕上げましょう。
2〜3か月目:応募・面接期間として、求人への応募、書類選考、一次面接、二次面接と進みます。フリーランスの場合、案件の合間を縫って面接を入れることになるため、スケジュール管理が重要です。オンライン面接に対応している企業を優先すると、スケジュール調整がしやすくなります。
4か月目:内定・条件交渉として、内定が出たら条件交渉、入社日の調整を行います。フリーランスの場合、進行中の案件の引き継ぎ期間を考慮する必要があるため、入社日は内定から1〜2か月後に設定するのが一般的です。
5〜6か月目:引き継ぎ・入社準備として、現在の案件の引き継ぎまたは完了、クライアントへの通知、行政手続き(廃業届・社会保険切り替え等)を済ませて入社に備えます。
案件との調整方法
転職活動中の案件管理も重要なポイントです。長期契約の案件を抱えている場合は、契約更新のタイミングで終了する形が最もスムーズです。短期案件の場合は、転職活動と並行して案件を受け、内定後に新規案件の受注を停止するパターンが多いです。
クライアントへの通知は、転職先が確定してから行うのがベストです。事前に「転職を検討している」と伝えると、案件が打ち切られるリスクがあるため注意しましょう。ただし、長期契約の場合は契約書の解約条項(通常1〜2か月前の通知義務)を確認し、余裕をもって通知する必要があります。
転職に最適な時期
転職市場には繁忙期と閑散期があり、時期によって求人数やライバルの数が変わります。一般的に求人が多いのは1〜3月(4月入社向け)と9〜11月(10月入社向け)です。IT業界では通年採用の企業も多いですが、この時期に転職活動を始めると選択肢が広がります。
フリーランスエンジニアの場合、確定申告の時期(2〜3月)は税務処理に追われるため、転職活動との両立が難しくなります。年末までに確定申告の準備を済ませておくか、転職活動の本格化を4月以降にずらすなど、工夫が必要です。
👉 フリーランスエンジニアの案件の探し方8選|チャネル別の特徴と安定受注のコツを徹底解説【2026年】
転職成功事例|フリーランスから正社員になったエンジニアのパターン
実際にフリーランスから正社員に転職したエンジニアの代表的なパターンを紹介します。自分に近いケースを参考にしてみてください。
パターン1:安定志向型(30代前半・フリーランス歴3年)
フリーランスとしてWeb系の開発案件を中心に3年活動していたが、結婚を機に収入の安定を重視するようになったケースです。フリーランス時代の月単価は70万円前後でしたが、案件の切れ目に1〜2か月の空白期間があることが不安材料でした。
転職先はSaaS企業の開発チームリーダーポジションで、年収は750万円。フリーランス時代の実質手取りとほぼ同等でありながら、社会保険・有給・賞与が加わることで総合的な待遇は大幅に向上しました。複数のクライアント案件を経験した幅広い技術力が評価され、入社1年目からチームリードを任されています。
パターン2:キャリアアップ型(30代後半・フリーランス歴5年)
フリーランスとして高単価案件を多数こなしてきたものの、「自分のプロダクトを持ちたい」「チームをマネジメントしたい」という思いが強まったケースです。月単価は90万円でしたが、常に「次の案件」を探す日々に疲弊していました。
転職先はメガベンチャーのエンジニアリングマネージャーポジションで、年収は950万円+ストックオプション。フリーランス時代に培った技術力に加え、クライアントとの折衝経験がマネジメントスキルとして評価されました。現在は15名のエンジニアチームを率いて自社プロダクトの開発を推進しています。
パターン3:ワークライフバランス型(40代・フリーランス歴7年)
長年フリーランスとして活躍してきたものの、年齢とともに体力面の不安や、長期的なキャリアの見通しが立ちにくいことに危機感を抱いたケースです。特に案件獲得のための営業活動や事務作業に割く時間が増え、本来の開発業務に集中しづらくなっていました。
転職先は大手SIerのシニアエンジニアポジションで、年収は850万円。フリーランス時代は月単価100万円近くでしたが、社会保険の企業負担分、有給休暇(年20日)、退職金制度を含めたトータルでは同等以上の待遇です。残業も月10時間程度に収まり、ワークライフバランスが大幅に改善しました。
よくある質問(FAQ)
Q. フリーランス歴が長いと転職は不利になりますか?
フリーランス歴が長いこと自体は不利ではありません。ただし、組織適応力や定着性への懸念が生まれやすいため、面接ではチームでの協業経験や長期的なキャリアビジョンを具体的に伝えることが重要です。特にフリーランスとして多様なプロジェクトに携わった経験は、技術の幅広さやアダプタビリティのアピールポイントになります。
Q. フリーランスから正社員に転職すると年収は下がりますか?
額面年収だけを比較すると下がるケースが多いですが、社会保険料の企業負担分、有給休暇、賞与、退職金、福利厚生を含めたトータルパッケージで比較すると、実質的な差は想像以上に小さいことがほとんどです。転職エージェントに相談すれば、自分のスキルに見合った年収レンジを教えてもらえます。
Q. フリーランスを続けながら転職活動はできますか?
もちろん可能です。むしろ、フリーランスとして案件を持ちながら転職活動を進めるのが安全です。転職活動が長引いても収入が途絶えないため、焦らずに納得のいく企業を選ぶことができます。ただし、面接日程の調整が課題になるため、リモート面接に対応してくれる企業やエージェントを活用しましょう。
Q. 転職エージェントは複数登録すべきですか?
はい、2〜3社に登録するのがおすすめです。エージェントによって保有している求人や得意な業界・企業規模が異なるため、複数のエージェントから情報を集めることで選択肢が広がります。また、異なるエージェントからのアドバイスを比較することで、より客観的な判断ができます。
Q. 正社員になった後も副業でフリーランスはできますか?
企業の就業規則によります。近年は副業を認める企業が増えており、正社員として安定収入を得ながら、フリーランスとして副業で収入を得ることも可能なケースが多くなっています。転職先選びの際に、副業の可否を確認しておくことをおすすめします。副業としてフリーランスを続ける場合、開業届を出したまま(廃業届を出さない)にしておく選択肢もあります。
まとめ
フリーランスから正社員への転職は、正しい戦略と準備があれば決して難しくありません。重要なのは、フリーランス時代の経験をネガティブに捉えるのではなく、多様なプロジェクト経験、技術力、自走力、クライアントとのコミュニケーション能力といった強みとして積極的にアピールすることです。
転職を成功させるためのポイントとして、転職の目的と優先順位を明確にすること、フリーランス経験を組織で活かせるストーリーを準備すること、IT業界に特化した転職エージェントを2〜3社活用すること、年収はトータルパッケージで比較・交渉すること、開業届の廃業届出や社会保険の切り替え手続きを忘れないことが挙げられます。
フリーランスも正社員も、それぞれにメリットとデメリットがある働き方です。自分のキャリアの現在地と将来のビジョンを踏まえて、最適な選択をしてください。
👉 フリーランスエージェントおすすめ10選比較|現役エンジニアが案件・マージン・評判で徹底ランキング【2026年】
👉 会社員からフリーランスへ|退職前後にやるべき手続き完全チェックリスト【2026年版】
👉 フリーランスエンジニアのポートフォリオの作り方|案件獲得率を上げる構成・実例・おすすめツールを解説【2026年】
